都市化に伴い、昔のように虫や自然に触れ合える場所が限られてきました。幼少期の自然との触れ合いは、情緒や好奇心を育てる上ではとても重要です。
私は、沖縄の高校を卒業後、筑波大学(体育学群)に進学し、野外教育について学びました。大学卒業後はすぐにカナダへ留学し、そのままカナダで5年間働き、その中で、モンテッソーリ教育やレッジョ・エミリア教育など、カナダの教育の根底にある概念や考え方、教育の本質を教えてもらう機会があり、教育委員会や学校のクラスの中に入って、プログラムに同行させてもらうなど、さまざまな経験を積んできました。
特に印象的だったことは、幼児教育にかなり力を入れているということ。幼少期に、とにかく色んな経験をさせ、触れさせ、自然の中で伸び伸び育てる。「子どもは100の言葉を持っている」という思想の元、先生は「教える」のではなく、子どもの興味を見逃さないように「環境を整える」ことに特化する。地域を巻き込む。
教育の『本質』を肌で感じてきました。
沖縄に帰郷し、学んできたことを教育現場に生かそうと、教員として2年ほど教壇に立った経験がありますが、がんじがらめの学習カリキュラムと教育予算が削られた日本の教育現場は、世界からみると教育資源も劣っていて、教員も多忙で疲弊していました。日本の先生方は、本当に努力家です。しかし、それ以上に業務に追われているのが現状。
私が本当にやりたかった『教育』の形は、教育現場ではすぐには叶えられないと考え、
「自分で起こした教育事業で、具現化しよう。」
そう考え、教員を辞め、起業することにしました。
「子どもの脳は5歳までに決まる」と言われるように、人が成長していく上で、幼少期の経験はとても重要です。ちょうど、私には1歳・3歳の小さな子どもがいます。
「どうせ教育事業を始めるのであれば、自分の子どものために、本当に良い環境を作ろう」
この考えが、今の教育事業の一番のモチベーションです。地域の中でしっかり育て、色んなものに触れさせる、経験させる。グローバルな視野を持たせる。
全国的にどうかはわかりませんが、私が住んでいる地域は、公園や動物園などはあっても、生き物や動物に直に触れ合い学べるような場所はありません。子どもが通う保育園の園長先生に聞くと、「自然体験のカリキュラムはあるんですが、そういったできそうな場所がないんですよね」と、やはり場所がないと言います。
無ければ、作れば良い。
そう考え、早速、場所を探し始めました。ただ、いくら探しても、目ぼしい土地が見つからない。やっと探せたのは、ボロボロなお化け屋敷状態・ゴミの不法投棄された荒廃農地。
「この場所を再生させるのは無理だよ」
不動産屋からはそう言われ、昔からこの場所を知る人からも、「辞めた方がいい」そう言われました。が、「やればできる」と考え、一人で片付け作業を始めました。見かねた両親が手伝い、友人が手伝いに来てくれるようになり、ボランティアで手伝ってくれる人が日に日に増え、琉球大学の農学部の学生も巻き込み、いつしか、広~い原っぱが見渡せるまでになりました。
場所は作り過ぎてはいけない。子どもと一緒に、アイディアを出し、職人も巻き込みながら、本物を作っていく。子どもだから適当に見せるのではなく、見せるもの、させる事は全部本物の経験でなくてはいけない。
この場所で、これからどんなイノベーションが起こるのか、地域の人と一緒に考えながら、進めていきたい。そんなワクワク感があります。
現時点で、この場所でできそうなアイディア例として、
- 火起こし体験
- 芋掘り~焚火で焼き芋体験
- 大自然の中でBBQ
- 手長エビ釣り
- おたまじゃくし、カエル、カマキリ、ヤゴ、トンボ、ザリガニ、木登りトカゲなど、生き物との触れ合い体験
- カブトムシ・クワガタ捕獲体験
- ヤギとの触れ合い、乳絞り、チーズなどの加工品作り
- 養蜂からはちみつ採取まで
- キャンプ
- 蛍(時期になるとやってくる)の観察会
- ピザ釜作り
- 泥んこ遊び
- ツリーハウス作り
- 遊具作り
- 自然のものを使ったクラフト体験
- 農作物の収穫体験~食育まで
- ファーマーズマーケット
- キッチンカーを呼んで、地域の人が集まるイベント
などなど、ニヤニヤが止まりません。
既にヤギの散歩やミルクあげ体験なども仕掛けました。
私たちは、子どもが自然の中で学び、手に触れて、五感をフル稼働させて探求心を無限に発掘していくような仕掛けを作り、興味関心を最大限に拓ける場所を本気で創造していきます。
現在、計画中の事業イメージ動画です。お楽しみに!